養鶏業33年の匠が営む美ら卵養鶏場
上質でおいしい卵を作る秘密とは

豊かな緑に囲まれる本島南部・南城市。世界遺産の「斎場御獄(せーふぁうたき)」をはじめ、美しいビーチや昔ながらの景色が残っています。

牧場やさとうきび畑などのどかな風景が広がるなかに、有限会社美ら卵(ちゅらたま)養鶏場はあります。午前9時、農場を訪ねると、集卵の真最中!およそ3万羽もの鶏を育てる養鶏場の、一日で最も活気に満ちる時間です。

 

代表取締役の諸見里元さんは、養鶏場歴33年。この道に進んだのは、養鶏場を営んでいた父親の影響だといいます。「最初は公務員になろうと思っていました。でも、父に『鶏の方がいいよ』と言われて。公務員試験に受かっていたけれど、それを蹴って、この道を選びました。

長男だから家業を継ぎたいという気持ちもあったし、『せっかく受かったのにもったいない。どうして養鶏場を?』と友人から言われたのもあって、『やってやるぞ』と当時は強く思いましたね」と、諸見里さんが話してくれました。

 

美ら卵養鶏場の卵は、まるで夕日のような綺麗なオレンジ色の黄身が特徴。ぷっくりとしていて、お箸で掴めるほどの新鮮さです。「卵の味の決め手は飼料にかかっています。当社では鶏の栄養バランスを考えながら、ヨモギや海藻、パプリカ、木酢液など自然のものを与えることによって、生臭さが少なく、見た目もよいコクのある卵ができます」と、おいしさの秘密を諸見里さんが教えてくれました。

「また、鶏に与える水は、自社で培養した有用微生物群を混ぜています。この水を与えると、鶏の腸内が健康になり、免疫力が高まります。コストはかかるし必ずやらなければいけないことではないけれど、昔からやっていることなので続けています」。

 

美ら卵養鶏場のもうひとつの魅力は、自慢の卵を使ったお菓子です。

南風原町と沖縄市にある自社店舗では、諸見里さんの娘さんである知名真理さんを中心に、シフォンケーキやプリンなど、様々なお菓子を製造・販売しています。

最近ではベイクドチーズケーキの販売も開始したそう。「このチーズケーキには、おなじ南城市で県産チーズを作るジョンさんの上質なチーズを使っています。濃厚でコクがありながらも軽やかな味わいが後を引く自信のある品です。冷凍保存ができるので、県外のお客さんにも届けられるのも強みです」と話してくれたのは、取締役常務の知名伸一さん。

 

(写真左が諸見里さん、右が知名さん)

 

「2019年12月からは、自社店舗やスーパーにて『プレミアム卵』の販売を始めました。飼料のパプリカを更に加えることで、黄身の赤味が増し、見た目がより一層おいしく見えます。ゆで卵や卵かけごはんなどは色が映え、卵本来の甘さも味わえるので、ぜひ試してみてほしい」と知名さん。

「加工品にも安心安全で良質な自社の卵を使えば、確実においしさに直結します。お菓子だけでなく、今後は様々な料理にもっと広げていくことができれば。鶏には夢がありますよ」と諸見里さん。何事も経験だと、失敗を恐れない諸見里さんをリーダーに、家族一丸となって頑張る美ら卵養鶏場。一羽一羽に愛情をそそぎ、今日もおいしい卵をお客さんに届けています。

 

店データ

■美ら卵養鶏場

南風原店:南風原町字兼城293 TEL:098-889-1950 ※11:00〜18:00(年中無休)

沖縄市店:沖縄市南桃原3-36-18 TEL:098-933-6623  ※11:00〜17:20(年中無休)

https://m-egghouse.com/