人と自然にやさしい、沖縄育ちの黒毛和牛
「もとぶ牧場」が挑戦し続ける理由

 

沖縄本島北部に位置する本部町は、透明度の高い海や緑生い茂る山など、豊かな自然が残るまち。そんな風光明媚な場所に、沖縄を代表するブランド牛のひとつ「もとぶ牛」を育てる「もとぶ牧場」があります。

 

安心安全なお肉を消費者に届けるため、出荷する牛は全てトレーサビリティ(個体識別番号)で管理するなど徹底した品質管理を行っており、沖縄育ちのブランド牛として平成25年度全畜連肉用牛枝肉共進会において「最優秀農林水産大臣賞」を受賞。「もとぶ牛」というブランドを着実に確立し、高品質な牛肉を提供しています。

 

 

もとぶ牧場では1988年の設立当初から「人と自然にやさしい」をテーマに掲げ、環境へ配慮した畜産を行っています。例えば、地元にあるビール工場の製造過程で出るビール粕の有効活用。本来なら捨てられてしまうものをトウモロコシなどの餌に混ぜ、オジリナルの飼料をつくっているのです。

 

「人間が食べても安全なんですよ」と教えてくれたのは、取締役の坂口大河さん。糖蜜などを加えおよそ2週間、じっくりと発酵させてつくられる飼料は栄養と繊維質が豊富。整腸作用を促すことで食欲も増し、牛が健やかに育つといいます。

ほかにも、牛糞におがくずを混ぜて有機堆肥を生産し県内農家に活用してもらうなど、もとぶ牧場の取り組みには無駄なものがほとんどありません。この循環型システムは、環境だけでなく、牛や人にも優しいのです。

 

 

広々とした敷地内では約2,000頭の牛が肥育されており、その世話をしているのはおよそ20人のスタッフ。「1つのゲージに入れるのは多くても5頭まで。スペースが確保できるので僕たちも目が届きやすいですし、牛たちもストレスが少なくなります」と話すのは副場長の上間太雄さん。毎日牛舎の清掃や餌やりをしながら、元気に食事をしているか、体調が悪そうな子はいないか、1日も欠かすことなく、一頭一頭に目を配ります。

 

「牛は好奇心が強いので、声かけをしてあげると、ちゃんと聞いてくれるし応えてくれるんですよ」。子牛から肥育して出荷するまでのおよそ2年間、自分の子どものように愛情を注いで世話をしていると上間さんは言います。「牛を育てる上で大切にしているのは、牛たちに感謝すること。命を管理し、商売をしているので、『ありがとうございます』という気持ちは常に持っています」。

 

 

大切に育て上げた牛を直接消費者へ届けたいと、もとぶ牧場では焼肉店の店舗展開や、ハンバーグやウインナーといった牛肉の加工・販売にも取り組んでいます。

 

2019年8月から那覇店等で提供している「もとぶ牛を使ったテリーヌ」は、金秀商事、県内のシャルキュトリ(食肉加工品)専門店である金城商店の3社で共同開発したもので、もとぶ牧場の新たな挑戦を表す一品です。「シャルキュトリは豚肉で作られることが多く、牛肉は珍しいです。今まで販売していた加工品のジャンルとは異なる志向のメニューを提供することで、これまでもとぶ牛を知らなかった人が食べてみるきっかけにつながれば」と坂口さん。

 

スパイスが香るテリーヌはお肉の食感が楽しめ、かつなめらかな口当たり。ワインなどお酒のおともにもぴったりで、事前に行われた試食会でもその味は好評だったそうです。

 

 

もとぶ牛のおいしさは外国人にも評判で、ここ数年は国内のみならず、香港や台湾など海外への輸出も増えているそう。「『もとぶ牛』として販売されているお肉は、すべて私たちの牧場で肥育したものです。だから、常に品質にもおいしさにも自信を持ってお客様に提供できるのが強みです。

 

近年は母牛を育て子牛を産ませるいわゆる「繁殖」にも取り組んでいるので、『牧場生まれ、牧場育ち』の牛たちの数も増やしていきたいですね」と坂口さん。沖縄のブランド牛として品質を追求し、そしてよりたくさんの人へそのおいしさを届けたい。もとぶ牧場の挑戦はこれからも続きます。

(写真左から2番目が坂口さん、中央が上間さん)

店データ

■農業生産法人 株式会社もとぶ牧場

TEL 0980-47-5911

http://www.motobu-farm.com