正解がないからこそ面白い!エナジック車海老養殖場の車海老との向き合い方

本島中部に位置するうるま市は、浜比嘉島や宮城島など車で行ける離島があり、美しいビーチが広がる町。市内の繁華街から少し離れたところに、エナジック車海老養殖場があります。

養殖池は、5,200平米と養殖場としてはあまり大きくありませんが、年間9トンもの車海老を育てています。

実は、沖縄県は車海老の養殖量が日本一。本島には7ヵ所の養殖場がありますが、エナジック車海老養殖場の特徴は電気分解した還元水を使用すること。「当社でつくる還元水を出荷前に水槽に入れて混ぜることで、車海老が元気になるんです」と話してくれたのは、マネージャーの城間茂雄さん。

出荷作業をしているところにお邪魔すると、水槽には透明感あふれる新鮮な車海老がたくさんいました。

 

城間さんが車海老を育てるうえで何よりも大切にしているのは、日々の養殖池の管理です。水深1.5メートルの池に、毎日欠かさずダイビングスーツを着て潜り、車海老が体調をくずして砂から出ていないか、餌の食べ残しがないかなど、半日、長い時には1日かけて丁寧にチェックしています。

「先輩たちから、『養殖池は人間が水の中で眠れるくらい綺麗にしなさい』と教えられました。それぐらい綺麗な環境にしないと、良いものは作れないということです。生き物を扱うことは、やはり気を遣わないと出来ません」

 

もうひとつのこだわりは、毎日あげる餌です。車海老の大きさにあわせて、餌のサイズも変えています。「コストはかかりますが、国産のものにこだわって選んでいます。餌にはイカの成分が含まれているんですが、これが加熱したときに殻がきれいに赤みを帯びる秘訣です。

出荷先の飲食店の方からも『状態が良い』と言ってもらえて好評です」と、城間さん。お刺身として生で食べるのはもちろん、酒蒸し焼きにすると色合いも良く、甘味も逃さずに食べられるとおすすめの食べ方を教えてくれました。おいしさはもちろん、調理したときの見た目にまで気を配っています。

 

車海老の養殖業をはじめて20年以上。サイズ別に仕分けするその手さばきは、まさに職人技です。「長年この仕事を続けてこられたのは、面白かったから。生き物なので、ひとつの正解がないのが魅力です。例えば、去年は上手くいった方法でも今年は成長が遅くなり、サイズが小さくなることもあります。大変ですが、毎日変化があってとてもやりがいがあります。年間の生産量があがると、とても嬉しいですね」。

 

車海老の出荷は冬から春先にかけてピークを迎えます。毎年6月には1年の作業が終わり、養殖池の水を抜くそうです。「底に敷いた砂に電気を流して残っている車海老を回収するのですが、その様子を社会科見学として地元の小学生に見てもらうと、とっても楽しんでもらえたり、興味をもってもらえるんです」と笑顔で話してくれた城間さんに、今後取り組んでいきたいことを伺いました。

「県内での消費率は2割程しかありません。地元の人をはじめ県民にもっと知ってもらえるよう、こうした社会科見学や、積極的に県内のホテルに出荷するなどしています。養殖場の敷地をもっと広くして、より多くの人に車海老を食べてほしいです」。

 

 

店データ

■エナジック車海老養殖場

沖縄県うるま市字具志川3071番地

https://www.kangen-kurumaebi.com/store/